オンラインイベントを成功させるポイントとは?メリットや成功事例も紹介
コロナ禍以降、注目されたオンラインイベント。アフターコロナの時代になった現在も、参加人数や場所に制限がなく、コストが抑えられるなどのメリットがあるため、オンライン開催が定着し多数開催されています。
本記事では、オンラインイベントの種類やメリット・デメリット、オンラインイベントを成功させるポイントについて詳しく解説します。
目次
1.オンラインイベントとは
「オンラインイベント」はパソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスから参加するインターネット上のイベントのことで、講演会や音楽ライブなど様々な種類の催し物で活用されています。
非接触で開催できることから、世界的な新型コロナの流行を受け、従来のオフラインイベントの代替手段として急速に広まりました。
オンラインイベントの企画・運営経験者向けのアンケートでは、コロナ禍以降、約80%の企業が「オンラインイベントが増加した」と回答。しかし、満足度は63%に止まっており、まだまだ課題も残されているようです。
参考記事:博報堂プロダクツ
【オンラインイベントに関する調査】 オンラインイベント(ハイブリッド開催含め)の継続意向は約90% ‐ 成果を上げるカギは「参加者のエンゲージメント向上」
1-1.ハイブリッドイベントとは
ハイブリッドイベントとは、オンラインとオフラインで同時に開催するイベントを指します。メリットとして、出演者も参加者も直接会場で参加するか、オンラインで参加するかを選べることが挙げられます。
参加方法の選択肢が増えることでイベントの自由度が高まり、参加者の多様化が期待できます。ただし、主催者側のオペレーションが複雑になる点には注意が必要です。
2.オンラインイベントの種類
近年、オンラインイベントは個人、法人問わず広く行われていますが、
その中でも法人主催のイベントは社外向けと社内向けの2種類に分けられます。さらに、社外向けオンラインイベントは、BtoCとBtoBに分けられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1.社外向けオンラインイベント
社外向けのオンラインイベントには、BtoC向けとBtoB向けがあります。
BtoC向けのオンラインイベントは、顧客へのサービスや満足度向上を目的として開かれるため、エンターテイメントの要素が強いイベントが主流です。
BtoBでは自社のサービスや商品の周知を目的とした開催が多く、新商品発表や記者会見、展示会等が該当します。
2-1-1.BtoC向けオンラインイベント
BtoC向けオンラインイベントとは、一般の顧客に向けたオンラインイベントです。コンサートやライブ、フェスや演劇など、今までは会場に直接足を運ばなければ見られなかったさまざまなエンターテイメントにオンラインでどこからでも参加できます。
数万人規模のイベントであってもオンラインなら会場を手配する必要がなく、低コストで開催できるということは大きなメリットです。また、気になるイベントに一人で気軽に参加できる点もオンラインイベントの魅力といえるでしょう。
オンラインのお笑いライブや演奏会であれば、他の観客との接触の心配がなく楽しめます。トークショーもオンラインならゲストの顔がよく見えるため、間近で話を聞く感覚で参加できるでしょう。
また、周りの人の目を気にせず参加できるフィットネス・エクササイズ系のスポーツイベントも盛んです。
2-1-2.BtoB向けオンラインイベント
BtoB向けのオンラインイベントとは、企業向けのイベントです。企業向けのオンラインイベントは展示会・講演会・カンファレンスなどがあり、商談や営業活動、マーケティングにも活用できる内容が多いことが特徴です。
オンラインイベントであれば場所を問わないため、日本各地の取引先企業はもちろん、海外からの参加者も募れます。
たとえばオンライン展示会を開催した場合、非接触で新商品や新サービスの発表、関係者との情報交換ができます。カンファレンスやシンポジウムをオンラインでおこなえば、出張せずに他社と市場の動向や最新情報の共有が可能です。
オフラインでは、大きな会場を手配しなければいけない決算発表会や講演会、シンポジウムなども、オンラインであればコストを抑えて開催できます。
2-2.社内向けオンラインイベント
テレワークの導入が進むとともに、社内向けのオンラインイベントも増えてきました。オンラインイベントなら、大きな会場を準備する必要なく、出社しなくてもコミュニケーションの活性化とモチベーション向上が見込めます。
オンライン入社式なら、地方の拠点に配属になる新入社員でも、本社に出社する必要がありません。そのほか表彰式などもオンラインで開催すれば、広いスペースを確保する必要もなく全社員が出席できます。
社内向けのイベントに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:運営代行のプロが選ぶ!社内オンラインイベントおすすめ企画例14選
3.オンラインイベントのメリット
オンラインイベントには、次のようなメリットがあります。
・コストを抑えて開催しやすい
・参加者の人数や場所の制約がない
・参加者のデータを取得しやすい
それぞれ詳しく解説します。
3-1.コストを抑えて開催しやすい
オンラインでイベントを開催すれば、オフラインのように参加人数に合わせた会場を手配する必要はありません。
一般的に都内の場合、100名以上収容できる会場を手配すると、数十万円〜数百万円程度の会場費が必要です。しかしオンラインイベントに切り替えれば、配信ツールの利用料金だけで済むため、無料〜数万円程度に抑えられます。
また、当日の会場の受付や案内係など、運営スタッフの人件費も抑えられます。
さらに、オンラインイベントなら装飾費用もかからないため、イベント開催の全体コストを大幅に抑えつつ多くの人を集められます。
オフラインでは、イベントに参加する人数が多ければ多いほど場所代・人件費・運営費用も高くなりますが、オンラインイベントに切り替えることで削減できた費用を集客や広告、演出などに回すことも可能です。
3-2.参加者の人数や場所の制約がない
オフラインでイベントを開催する場合、手配する会場のキャパシティによって参加者の人数を制限しなければいけません。また、住んでいる地域によっては、イベント開催地との距離が遠く参加が難しいケースもあります。
オンラインイベントなら、配信環境を整えれば参加者の上限はありません。参加者は会場に足を運ぶための金銭的、時間的な負担がなくなるため、日本はもちろん世界中からイベントに参加できます。
これまでオフラインイベントではアプローチできなかった様々な層にもアピールすることが可能になります。
3-3.参加者のデータを取得しやすい
イベント参加者のデータを取得しやすい点も、オンラインイベントのメリットです。参加者の居住地・性別・年齢、ビジネスであれば業種・社名・メールアドレスなどは非常に貴重なデータですが、オンラインイベントでは配信ツールの機能を使用したデータ収集ができるため、上記に加えて視聴者の参加や離脱のタイミングなどといったデータも効率的に取得することができます。
また、オンラインイベント開催中もチャットや質問機能、SNSを利用することでリアルタイムで参加者とコミュニケーションが取れます。
4.オンラインイベントのデメリット
オンラインイベントには、次のようなデメリットもあります。
・参加者の途中離脱が起こりやすい
・参加者との交流が難しい
・通信トラブルのリスクや配信ツールを使用するハードルが生まれる
4-1.参加者の途中離脱が起こりやすい
オンラインイベントは、参加者が自宅から気軽に参加できるものです。有料のイベントであれば途中離脱する確率は減りますが、無料で参加できるイベントの場合、そもそも参加しない人も多いですし、参加者はつまらないと感じれば、いつでも途中離脱してしまいます。
また離脱せずとも、ほかのWebサイトを閲覧したり違う作業をしながら聞き流していたりする可能性もあるでしょう。
参加者をイベントの最後まで惹きつけるためには、イベントの目的を明確にし、コンテンツを充実させる工夫が必要です。また、イベント開催中にチャットによる質疑応答を入れたり、適宜休憩を挟んだりするとよいでしょう。
4-2.参加者との交流がしにくい
オンラインイベントは、参加者とのコミュニケーションが取りにくいというデメリットがあります。オフラインのイベントであれば、イベント終了後に懇親会を設けたり、参加者と直接話をする、パンフレットやノベルティ・サンプルなどを配布するといった機会を設けることができます。
しかし、オンラインイベントの場合は、対面でのアプローチができないため参加者と交流するための工夫をしなければいけません。たとえば、インタラクティブなコンテンツを用意して交流を促す、チャットやSNSを通して質問を募集する、イベント終了後にアンケートに回答してもらうなどして、コミュニケーションを図るとよいでしょう。
4-3.通信トラブルのリスクや配信ツールを使用するハードルがある
オンラインイベントでは、通信トラブルの可能性を常に心配しなければいけません。参加者が増えるとその分通信への負担が大きくなり、トラブル発生のリスクが高まります。
また、参加者側の通信環境が良くなかったり、オンラインイベントへの参加方法や配信ツールの使い方がわからなかったりすると、申し込みをしていてもイベントに参加できないこともあるでしょう。
通信環境や参加時のトラブルはクレームに発展することも考えられます。イベント開催前に必ずイベントの参加方法や参加手順を参加者へ伝えましょう。
もし、イベント開催において、通信環境や機材トラブル、配信ツールの操作などが心配であればノウハウを持つ運営代行会社に相談するのもおすすめです。
5.オンラインイベントの流れ
ここからは、オンラインイベント開催までの流れを解説します。今回紹介する流れは一例のため、前後しておこなわれる場合もありますが、参考にしてください。
5-1.オンラインイベント企画
イベントの企画を立案します。運営関係者で話し合い、イベントの目的やコンセプト、ターゲット層などを決めてコンテンツの内容を決めていきましょう。
オフラインよりも参加者が離脱しやすいことを考えて、充実した有意義な内容にすることが大切です。企画の段階では、予算や実現可否などは考慮せず自由な発想でイベント内容を考えてみましょう。
制約を取り払って考えることで、魅力的で有意義な企画が出来上がるかもしれません。
5-2.事前準備
イベントの企画内容が決まったら、事前準備に入ります。イベントの開催日時を決め、必要な資料や広告などの準備をします。イベント当日のスケジュールや、開催までの段取りなども決めておきましょう。
スケジュールが決まったら、講師や出演者を選定し、オファーが必要な場合には早めに依頼します。
5-3.配信環境の手配
オンラインイベントを配信するツールや機材の手配をおこないます。
ZoomウェビナーやGoogle Meet、YoutubeLive等、配信ツールによって使用できる機能や参加できる人数が異なります。
イベントの規模や内容によって必要なマイクやカメラなどの機材も変わってくるので、予算に合わせて適切な配信ツール・機材を選定しましょう。
また通信トラブルを起こさないように、万全な配信環境を構築することも重要です。
5-4.集客・告知
イベントの告知や集客をおこないます。有料のイベントを開催する場合は、集客は収益に直結するため、イベントの規模や種類を考慮して告知や集客方法を選ぶ必要があります。
自社サイトやSNS、メルマガなどを使えば無料でイベントの告知が可能です。また、無料のイベント告知サイトなどを使ってもよいでしょう。有料で告知する場合は、イベント告知サイトや検索エンジンに広告を出すといった手段も有効です。
社内イベントの場合は、早めに社員へ通達するだけではなく、社員がイベントに参加できるようにスケジュールの調整を呼びかけることも大切です。
5-5.リハーサル
イベント本番の前には、事前にリハーサルをおこないましょう。社外から出演者を呼ぶ場合は、その方にも参加してもらいます。本番と同じ環境で実際にインターネットに接続し、通信環境や映像・音声の確認、各種ツール設定が誤っていないかを確認しておきましょう。
遠方の出演者がいる場合は、それぞれの参加場所で通信環境や音声、映像などが正しく配信できるかをチェックしましょう。
また万が一、イベント当日にトラブルが発生した際の対処法もリハーサルで確認しておきます。
5-6.オンラインイベント開催
オンラインイベントの当日または前日に、参加者へリマインドの連絡をしましょう。開催時間と参加URLを再度送ることで、参加率が高まります。本番の数時間前には、もう一度機材の最終チェックをおこなってください。
リハーサルと同様の手順やスケジュールに従い、イベントを進めましょう。
配信中は通信環境・機材・配信ツールなどの様々なトラブルに備え、有事の際にはすぐに対応ができるような体制を整えましょう。
5-7.アフターフォロー
イベントが無事終了したら、当日の講演資料、関連資料の配布やアーカイブ動画の配信、お礼のメールなど参加者へアフターフォローをおこないます。またアンケートを記入してもらい、イベントに対するフィードバックをもらうのもおすすめです。
オンラインイベントでは、参加者とのコミュニケーションが取りづらいため、イベントに対する満足度を把握するためには工夫が必要です。そのためアンケートを活用して、参加者の声を聞き、次回のイベントに活かしましょう。
5-8.振り返り
最後に、オンラインイベント全体の振り返りを行います。参加予定人数と実際に参加した人数、イベント中の参加者の増減を確認し、アンケート結果も分析しましょう。
もし、オペレーションのミスやトラブルが起きてしまった場合は、原因の特定と具体的な再発防止策を策定し、ナレッジとして関係者全員で共有しましょう。イベントの振り返りは、今後の企画や運営に活かせます。
フロンティアチャンネルのオンラインイベント運営代行なら、部分的な支援はもちろんのこと、運営に関わる全ての工程のサポートが可能です。ご興味がある方は、以下のページよりご覧ください。
6.オンラインイベントを成功させるためのポイント
オンラインイベントを成功させるためには、目的とターゲットを明確にし、適切な配信ツールを選ぶことが大切です。通信トラブルや機材トラブルなどの予期せぬトラブルが起こった場合も、適切な対応をすることで成功につながります。
本章では、オンラインイベントを成功させるポイントを詳しく解説します。
6-1.イベントの目的とターゲットを明確にする
オンラインイベントの目的とターゲットを明確にしましょう。目的とターゲットを決めれば、イベント内容の具体的な方向性が見えてきます。目的やターゲットが定まっていないと、集客が思わしくなかったり、集客できても期待していた効果が得られずに終わってしまったりします。
測定可能なKPIを決めておくと、振り返りやすいためおすすめです。
6-2.イベントの目的・内容に合った配信ツールを選定する
イベントの目的や内容に合う配信ツールを選びましょう。ツールの特徴を理解し、参加人数やイベントの種類によって適切なツールを選定します。
たとえば出演者が一方的に発信する一方向型のイベントであれば、ZoomウェビナーやWebex Webinars、Youtube Liveなどが適しているでしょう。参加者とコミュニケーションを取る双方向型のイベントであれば、ZoomミーティングやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどがおすすめです。
6-3.トラブルが発生した際の対応方法を決めておく
配信中のトラブルは、参加者の途中離脱や満足度の低下につながるため、トラブル対策を徹底しましょう。通信環境や使用する配信ツールのチェックはもちろん、担当者がツールを使いこなせるよう操作を身に着けることが必要です。
適切なツールを選んでも使いこなせないとイベントを盛り上げられなかったり、参加者とのコミュニケーションがうまくいかなかったりします。
また、イベント中は音声や映像が乱れるといったトラブルも想定されるため、各種機材や通信環境、配信ツールの設定など、あらゆるトラブルを想定して事前に入念なリハーサルをおこないましょう。
配信中のトラブルは参加者の満足度の低下を招きます。通信環境、機材、配信ツールの準備に少しでも不安がある場合は、配信代行会社への相談もおススメです。
7.オンラインイベントの成功事例
7-1.オンライン決算説明会
大手小売企業の決算説明会をオンラインで開催しました。
会議室の1室に発表者を集め、そこからオンライン視聴者向けに決算説明を行いました。
決算説明後はオンライン視聴者から、挙手ボタンを利用した音声での質疑応答を行い、
活発なコミュニケーションが行われました。
7-2.オンライン研修会
某資格保有者向けの研修会をオンラインで行いました。
大人数向けの研修会でしたが会場費用がかからず低コストで研修会を開催することができました。
資格保有者は参加必須の研修会だったため、1000人弱の出欠確認を取る必要がありましたが配信ツールの機能を使用することで出欠確認の工数を大きく削減することができました。
7-3.オンライン料理ワークショップ
大手食品会社主催の消費者向け料理ワークショップをオンライン上で行いました。
料理人の講師が手順を説明しながら料理を行いましたが、リアルタイムで質問を受け付けることで一体感のあるイベントだったと好評でした。
レシピや器具などもリアルタイムでテロップ入れすることで、視聴者に優しいワークショップになりました。
オンラインイベントについてまとめ
オンラインイベントを成功させるためには、目的とターゲットを明確にし、イベントの趣旨にあったツールを選ぶことが大切です。集客は、イベントの種類に合わせておこないましょう。
イベント中の通信や音声、映像などのトラブルは、参加者の満足度に大きく影響します。事前に入念なチェックを実施しておくことが大切です。オンラインイベントに慣れていない、または不安な部分がある場合は、オンラインイベント運用代行に依頼するとよいでしょう。
フロンティアチャンネルでは、オンラインイベントの運営代行をおこなっております。企画からアフターサポートまでワンストップで支援できるので、ぜひお気軽にご相談ください。
ウェビナーで失敗してしまう前に、本記事の内容を参考に、ウェビナーを代行したほうがよいのか、自社で実施するのか、ご自身の置かれている状況に合わせて最適な方法を選択してください。